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*以下、日本経済新聞2017年6月24日版記事より転載

農業参入 全国で支援
農援隊 大田区と連携、中小企業向け

企業の農業参入の支援を手掛ける農援隊(島根県出雲市)は、異業種の参入支援を全国で拡大する。同社が展開する高品質の作物を育てる農法に対し、企業の引き合いが強まっている。東京都大田区と連携して同区の中小企業向けに参入支援を本格展開し、栽培技術の向上に取り組む。その後、首都圏で事業を拡大することを目指している。

農園隊はビニールハウス内で特殊なフィルムを使って高糖度の野菜などを栽培する「アイメック」と呼ぶ農法を使い、2009年に農業参入支援事業を開始。これまで中四国や関西など西日本を中心に合計で50件の参入支援を手掛けた。

首都圏での展開は昨年開設した東京オフィス(東京・大田)を活用。大田区から農業参入を目指す同区内の中小製造業などの紹介を受ける。東京都の外に所有する土地で野菜栽培を計画する企業から、すでに引き合いがきているという。

東京工業大学などとビニールハウス内での栽培技術向上を目指した共同研究も近く始める。高い技術力を持つ区内の中小企業と水や肥料を送り込む栽培装置の効率化に向けて技術協力することも視野に入れる。大田区産業振興協会は「農援隊と協業し区内の中小企業の農業関連技術が高まることを期待したい」としている。

17年3月期の売上高は2億円。3年以内に累計で70件以上の農業参入支援を目指す。3年後をめどに年間売上高を3億円に増やす目標を掲げる。