作物を栽培しても、売れなければ事業は成立しません。だからこそ「誰に売るのか」は、就農計画の中で最も重要な要素のひとつです。販路の設計は、栽培する作物の種類や栽培方法と密接に関係しており、経営の方向性を決める“羅針盤”と言えます。本記事では、新規就農者が販路をどう考え、どう戦略を立てるべきかを具体的に解説していきます。
販売先の選択肢とは?
新規就農者が利用できる販路には、主に以下のようなものがあります。
・直売所、産直コーナー、道の駅
・農協(JA)、市場への出荷
・スーパー・量販店との契約出荷
・飲食店や給食業者などの業務用販売
・百貨店や高級スーパーへの卸売
・ネットショップやSNSを使った個人販売
・農園での自家販売(観光農園・収穫体験など)
それぞれにメリット・デメリットがあり、自分に合った販路を見極める必要があります。たとえば直売所は利益率が高い反面、販売量に限界があります。一方、業務用は安定した販売が見込める一方で、単価は下がる傾向にあります。
「誰に売るか」が「何を作るか」を決める
販路は、単に「作ったものをどう売るか」という話にとどまりません。実は「何を作るか」にも強く影響します。たとえば、地域の飲食店との契約を視野に入れるならば、安定供給できる施設栽培が求められるでしょう。贈答用に特化した高級野菜を狙うのであれば、見た目の美しさや糖度にこだわった品種・農法を選ぶ必要があります。
アイメック農法で育てるフルーツトマトは、糖度8〜10度の高品質が売り。これにより、百貨店やレストラン、通販での高単価販売が可能になります。つまり、最初に「誰に売りたいか」を明確にすることで、栽培方法や収穫タイミング、パッケージ戦略までもが決まってくるのです。
販路の選定基準:3つの視点
販路を決める際には、次の3つの視点を持つことが重要です。
1.利益率:例えば直売所では利益率が60〜70%になることもありますが、JA出荷では20〜30%にとどまる場合もあります。
2.販売量の安定性:業務用は安定出荷が見込めますが、急な値下げや高い品質の要求に対応する必要があります。
3.手間とスキル:ネット販売は自由度が高い反面、注文管理、顧客対応といったマーケティングスキルが求められます。
これらを天秤にかけながら、自分の性格や生活スタイル、目指す経営規模に応じて選ぶことが大切です。
販路を育てる、という視点
最初から理想の販路が整っていることは極まれです。むしろ、「売り先を育てていく」という視点が重要です。たとえば、最初は直売所で販売して顧客の声を集め、その声を活かして飲食店との関係を築いていく。あるいはSNSで固定ファンを獲得してからネットショップを立ち上げる。販路は単なるチャネルではなく、信頼関係と継続性がモノを言う“育てる資産”なのです。
農援隊ができること
株式会社農援隊では、アイメック農法を活用したフルーツトマトの栽培に加え、販売戦略の構築も支援しています。特に都市部の百貨店・飲食店との販路ネットワークや、オンライン販売ノウハウの共有を通じて、就農初期から安定した売上を目指す体制を整えています。
誰に売るかを決めることが、農業経営の第一歩です。あなたにとっての理想の販路、私たちと一緒に見つけていきましょう。